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2025年上半期(1〜6月)歌舞伎座集客状況を分析してみた!

2025年7月9日

2025年上半期の歌舞伎座の賑の様子
📅 2025年も半分が過ぎましたね。

🎭 今年で創業130周年を迎える 松竹ですが、メモリアルイヤーということもあり歌舞伎公演に力を入れております🔥

しかし、昨今のエンタメ業界の多様化や📉景気の低迷により、実際にお客さんに舞台に足を運んでもらうのはなかなか大変なようです。

🎧 我らが歌舞伎においても、イヤホンガイドや インバウンド需要の取り込みなど、いろいろと手を尽くしてはいるようですが…

💴 今月(2025年7月)から、しれっとチケット代を値上げしてしまわなければならないところを見ると、なかなか苦労されてるご様子です。

👀 観劇したタイミングでは、「こんなに空席あって大丈夫?」と思うこともあったりしますが、実際に観客数はどのような感じになっているのでしょうか?

📊 まず、比較のために昨年(2024年)上半期の観客数の予約状況を表にしてみると、以下のようになりました。

📝 ご注意:本記事内のデータは、ミナミが独自に予約サイトを確認し、目視で集計したものです。松竹株式会社による公式な発表ではありませんので、参考情報としてご覧ください。

【2024年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率 折れ線グラフ】

2024年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率(昼・夜)
1月
初春
2月
猿若祭
3月 4月 5月
團菊祭
6月
昼の部 73% 94% 83% 69% 83% 85%
夜の部 68% 85% 65% 97% 70% 80%
※単位:%(小数点以下四捨五入) 満席数:各部 1808席

2024年1-6月の歌舞伎座「昼の部」「夜の部」観客数の変遷
2024年1-6月の歌舞伎座「昼の部」「夜の部」観客数の変遷

実線:昼の部
破線:夜の部

📊 2024年の上半期を見てみると──

🎍 1月は「初春壽大歌舞伎」と称して、新年を祝う目出度い舞台として派手に行われている感じがありながら、意外に低調です。

🤔 この理由としては、1月は他にも大きな公演が多いことが関係しているのでしょうか。

📍 浅草公会堂で若手による「新春浅草歌舞伎」、新橋演舞場では團十郎、新国立劇場で菊五郎、大阪松竹座では玉三郎──
と、歌舞伎ファンが分散されてしまうのだと思われます。

📺 また、初春の歌舞伎座は毎年NHKが中継することもあり、「歌舞伎座はテレビで見る」と考えるファンもいるのかもしれません。

👘 2月は1月の反動と「猿若祭」で好調な客入り。特に昼の部は仁左衛門登場も影響してか、94%という高い数字です。

🌸 3月はやや低調ですが、4月は夜の部が97%と非常に高く、これは玉三郎と仁左衛門の共演の効果でしょう。

🎏 5月は「團菊祭」ですが、連休がある割にはそれほどの客足ではなく、6月は時蔵三代襲名と獅童の息子たちの初舞台もあり、前月よりは客が入っているようです。

📈 グラフを見るとよくわかりますが、やはり仁左衛門・玉三郎という存在の大きさが目立ちます。

👉 では、上記の2024年上半期を踏まえて── 2025年はどうだったのか?を見てみましょう。

【2025年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率 折れ線グラフ】

2025年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率(昼・夜)
1月
初春
2月
猿若祭
3月 4月 5月
團菊祭
6月
昼の部 84% 86% 90% 93% 100% 86%
夜の部 80% 95% 96% 92% 92% 94%
※単位:% 満席数:各部 1808席

2025年1-6月の歌舞伎座「昼の部」「夜の部」観客数の変遷
2025年1-6月の歌舞伎座「昼の部」「夜の部」観客数の変遷

実線:昼の部
破線:夜の部

🎉 さて、今年(2025年)は「松竹創業130周年」というメモリアルイヤーでもあり、公演チラシも見開きになるという力の入れようですが、実際はどのような状況でしょうか?

📅 1月は、昨年と同様に他の劇場でも大きな公演が開催されていましたが、今年は昼夜ともに80%超え。まずまずの客足といえそうです。

🐒 2月の「猿若祭」は、1月よりも予約率が上昇。前年は昼の部に仁左衛門が登場して話題になりましたが、今年は玉三郎登場の夜の部が高い予約率となりました。

🎭 3月は、今年の歌舞伎座の目玉企画の一つ「三大名作通し上演」の第一弾「仮名手本忠臣蔵」。さすが伝統のある人気演目だけあり、昼夜ともに90%超えの好調な結果に。9月の「義経千本桜」、10月の「菅原伝授手習鑑」にも期待がかかります。

🌸 4月も引き続き90%超えの高水準。昼の部は市川染五郎、夜の部は仁左衛門と、歌舞伎イケメンランキングトップの二人が出演するのは大きいか。

🎏 5月の「團菊祭」は、菊五郎・菊之助の襲名披露が行われる大イベント。特に昼の部はほぼ満席。今回襲名の二人八代目尾上菊五郎・六代目菊之助が玉三郎と「三人道成寺」を踊るというのは想像以上のインパクトでした。

☂️ 6月も引き続き襲名披露公演ですが、内容的には地味に映る部分もあり、仁左衛門登場の昼の部でも90%に届かず、やや失速した印象です。

📈 こうして2024年と2025年の予約率を比較してみると、以下のようなグラフになります。

【2024-2025年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率 比較グラフ】

2024-2025年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率 比較グラフ
2024-2025年上半期(1-6月)歌舞伎座予約率 比較グラフ

赤:2024
青:2025
実線:昼の部
破線:夜の部

📊 2024年に比べると、2025年の予約率は全体的に上がっており、「松竹130周年記念イヤー」は今のところ順調な滑り出しといえそうです。

🔍 こうして比較してみると、2024年と2025年の上半期には大きな違いが一つあります。

📅 それは「新作歌舞伎」の上演数。2024年上半期は1本も新作歌舞伎が上演されていませんでしたが、2025年はすでに以下の4演目が登場しています:

  • 🎩 1月:「大富豪同心
  • 🌟 2月:「きらら浮世伝」※歌舞伎初上演
  • ⚔️ 4月:「木挽町の仇討ち
  • 📜 4月:「無筆の出世

📈 さらに2025年は上記4本に加えて、

  • 👹 7月:「鬼平犯科帳
  • 🔥 8月:「火の鳥
  • 🎤 11月:「ショウ・マスト・ゴー・オン(仮題)
  • 💻 12月:「超歌舞伎

📌 一方で昨年(2024年)の新作歌舞伎は、下半期に3本のみ:

  • 🦊 8月:「狐花
  • 🪷 9月:「沙門空海
  • 🌧️ 12月:「あらしのよるに

と、2025年は年間で新作歌舞伎が合計8演目となり、前年の倍というペースです(※一昨年(2023年)は4〜5演目)

🗡️ 今年は他の劇場でも「刀剣乱舞」や「流白浪燦星」など話題の新作歌舞伎が再演されており、松竹は若年層や新規の観客を新作で引きつけつつ、「三大名作」の上演で従来のファンも繋ぎ止めている姿勢が見えてきます。

📣 実際、3月の「仮名手本忠臣蔵 通し上演」は大きな反響を呼び、多くの観客を集めました。

🧭 八代目・菊五郎が襲名披露で掲げた「伝統と革新」という言葉は、まさに現在の歌舞伎界全体を象徴するキーワードといえそうですね。

📅 なお、年末には2025年の1年通した観客動員の推移を、また改めてご報告する予定です!今年一年で歌舞伎界にどんな変化があったのか、引き続き一緒に見守っていきたいですね。