2025年7月歌舞伎座 昼の部「新歌舞伎十八番 四演目」観劇記:團十郎は”劇聖”を超えられるのか?
2025年7月24日、歌舞伎座「七月大歌舞伎」昼の部を観劇して参りました!☀️
昼の部は、市川團十郎がメインをつとめる「新歌舞伎十八番の内四演目」という、なかなか見られない構成です🎯
夜の部の「鬼平」も気になるところでしたが、今回は”劇聖”と呼ばれた九代目團十郎が残した演目を、当代の團十郎がどう演じるのかを見てみることにしました!
🏙 銀座はまだ静か…
観劇当日は少し早めに家を出発して、9時ちょっと過ぎに歌舞伎座前に到着。
この時間の銀座はまだ人も少なめで、おかげで人が映りこまない歌舞伎座の写真📸が撮れました!
そして9時半から開いている地下の「かおみせ」で筋書を購入。
今まで10時開店のチケット売場でわざわざ並んで筋書買ってましたが…「かおみせ」ですぐ買えるなんて、先月教えてもらって感謝です😌
🙏 開場前のルーティン
恒例の歌舞伎座神社⛩️にお参りして公演の無事を祈願。
その後は、歌舞伎座裏手のほうの通りにある”カフェ・ド・クリエ☕”でモーニングを食べながら筋書を予習📖
いつの間にか、開演前のルーティンになってしまいましたね。
🧣 寒さ対策して、いざ!
10時45分にはカフェを出て、いざ歌舞伎座!
正面入口前は思ったより人少ない感じでしたが、中に入るとほぼ座席は埋まってました。今日は事前に見た予約状況どおりでしたね!
個人的には”いつも寒い”歌舞伎座対策もバッチリ:長袖+ブランケット🧥🧣で準備万端です!
まあ、となりのお姉様は扇いでましたけど…
【1️⃣ 大森彦七】…ちょっと前座感?🤔
最初の演目「大森彦七」ですが…
正直ちょっと“前座感”強めに感じました。
そもそも「大森彦七って誰?」って思ってしまい、筋書読んでまあそういう人がいたのかってレベルなんですね。
主役の右團次さんの台詞回しも、やや迫力不足に思えました?
これが「活歴物」と言われるのであれば、当時、九代目團十郎が始めた時にあまり人気がなかったというのがわかるような気がしましたね〜
高尚な舞台を見るにはやはりこちらの教養も必要なのか、勉強しないとね😅
そういう意味では、感慨深い演目ではありました。
でも、後半の「狂気を装って踊る場面」は◎!
お馬ちゃんも良い味出してて、ここはちょっと面白かったですね〜🐴
【2️⃣ 船弁慶】團十郎ここにあり!🔥
続いて「船弁慶」――これはもう大当たり✨
右團次さんの弁慶は思った以上にはまっていて、「大森彦七」とは別人レベル😳
虎之介くんの義経は、キリッとしてるのにどこか可愛い。
舟長の梅玉さんに巳之助、福之助も間に入って場をつなぐのにちょうどいい感じです😊
そして團十郎演じる静御前。実に静かな動きの少ない舞ですが、義経と別れなければならない複雑な心の内を感じさせます。
普段あまり見ない團十郎の女形ですが、控えめな動きの中に”強さと一途さ”がにじむ演技。
場面がすすみ、荒れた海に現れる知盛の亡霊💀
舞台は松羽目のままなのに、本当に荒れた海の上のように感じさせる迫力!
う〜ん、これぞ團十郎か!😤
緊張感溢れる場面、弁慶の必死の祈りによって諦める知盛だが、何度も戻ってくる花道の引っ込みにそこはかとない執念を感じます😱
團十郎の真骨頂ここにありという感じで見応えありました〜!😤
【3️⃣ 高時】ワンちゃんとバカ殿🐶👘
さてさて、お次は巳之助くんの「高時」!
開幕からお犬様🐕が舞台にドーン!
でかい人形かと思ってたら人が入ってましたね〜😲
野良犬が出てきたらなんかちっこい、子役が入ってるのか!
役人「お犬様、この浪人を噛み殺せ」って、だめでしょ主人の犬にそんなことさせちゃ(笑)
とまあ、つっこみどころ満載の出だしなんですが、犬を殺した罪で捕まった安達三郎を、その母と子が自らの命をなげうって助命しようとする場面にほろりとします。
なんか、最近こういう場面で😭がでるようになりましたね。
そして場面は変わり高時登場!見るからにバカ殿だな🤡
横向きで柱に寄りかかっての登場というのが九代目團十郎の工夫だそうで、なかなかおもしろい演出。
そんなバカ殿高時もご先祖様の話には弱いようで、今日は二代執権義時の月命日と言われて動揺し、思わずセンス🪭をポトリ。
これも活歴らしい演出だとか🤔
この後、高時一人舞台に残されてからがすごい。
どこからともなく現れる天狗👺たち。
ぴょんぴょん飛び回り高時をいいようにあしらいながら踊り狂う・・・
なんだか、権力に溺れた暗愚な権力者の最後の姿というのを暗示しているようで、ちょっと不気味なラストでした😨
【4️⃣ 紅葉狩】幸四郎VS團十郎🍁
昼の部の最後を飾るのは「紅葉狩」🍁
ここでは夜の部で鬼平を努める幸四郎が登場!
ブサイクな女形・男女蔵さん(失礼)のアタックにも動じません、さすが😏
そしてぼたんちゃん登場。男女蔵さんと並ぶと可愛さがさらに引き立ちます🥰🫶🏻
優美な舞を披露してくれますが、彼女の姿を歌舞伎座でいつまで見られることでしょうか。
まだまだ小さいからもうしばらくは…と思ったけど、小さく見えるのは周りが全部男だからなだけで、実際はもうすぐ高校生ぐらいなんですよね〜🙂↔️
紅葉狩の酒宴もたけなわ、ついに更科姫も舞を見せることに。
先程の静御前が愛する男性のために踊ったのに対して、こちらはあやかしが維盛をたぶらかす舞。
静かだが確実に心を奪ってしまうような・・・そんな感じです🫨
そして深い眠りに落ちた維盛を見届けると、急に本性表してドスドス足音👣立てて引っ込んでしまいます。
え、なんで?トドメ刺さないの?
永遠の眠りに落としたってことかな?
本性見せるのはいいけど、なんかドスドス足音たてるのはちょっと興ざめな感じがしました🙂↔️
で、眠りこけてる維盛たちですが、「山の神」が起こしに来ます。
ちがった「山神」ですね。「山の神」は身替座禅🙅🏻♀️
山神こと新之助くん登場!
こちらもお姉ちゃんに負けじと舞を披露します。
11歳ですが、やっぱ團十郎家の荒事感が出てきてる・・・かな?
そしてラストの維盛と正体表した鬼女👹の立ち回り!💥
ここで活躍するのが名刀・小烏丸🗡️
新橋演舞場での刀剣乱舞新作ではやや影が薄かった刀ですが、この場面では鬼女をひるませる威徳を発揮して大活躍。鬼女を木の上に追いやります。
そして松の木の上から恐ろしい表情で睨みつける鬼女と小烏丸を構えた維盛の見得で幕となります。
團十郎と幸四郎、そしてぼたんに新之助と昼の部のトリを飾るにふさわしい役者がそろうだけでなく、常磐津・竹本・長唄の三方掛け合いという珍しい演目。
おおげさな演出がないこともあり、じっくりと芝居を堪能できた気がしました。
🎤 総じて感想:團十郎の本領発揮✨
いやー「新歌舞伎十八番」は、やはりお家芸である團十郎が真価を発揮した感じでした。
自らの思いを伏せるように静かな舞を見せる”静御前👰🏻♀️”から怨念の塊となって義経一行を襲う”知盛の霊💀”
維盛をとりこにする美しい”更科姫👘”から正体を現した荒々しい”鬼女👹”……
二演目とも「女形」と「あやかし」という二役でしたが、まったくちがう立場の二役と同じ人物が変貌するという二役……見てて目が離せない感じでした。
「大森彦七」では鬼の面をかぶるという形でしたが、今回の四演目は人ならぬ何かが登場します。
人間が行きていく中で起きるさまざまな出来事には、人智を超えた何かがあるということ。
そして今の時代にもそれはあるのだということを見ていて考えさせられる舞台でしたね😌
九代目團十郎がどのような思いで新歌舞伎十八番を制定したのかは正直わかりませんが、私は現代の團十郎の演じる歌舞伎でこれからも見ていきたいです。
幸四郎と團十郎もいい味なので、やっぱ「鬼平」も見たかったな〜
染五郎とぼたんちゃん…二人の掛け合いどんなものかも気になる〜とか言うとファンに怒られるかな😚
そんな感じで、7月の歌舞伎座も堪能させていただきました🙌
本日はこれぎり🙇🏻♂️
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